ラテン語で「クァドラジェジマ(Quadragesima)」と言います。
これは、ラテン語の「第40の」「クァドラジェシムス(Quadragesimus)」に由来しています。
そして、40という数は、イエス様が荒れ野で40日間断食をしたことに由来していて、それにならって40日の断食という習慣が生まれました。
ですから、今度の四旬節第一主日では、イエス様が荒野でサタンに誘惑を受けた場面の福音書が読まれます。
けれども実際には、復活祭の46日前の水曜日(灰の水曜日)から四旬節が始まります。
下関教会でも昨日の19時に灰の水曜日の礼拝が守られました。灰の水曜日の礼拝では、回心(悔い改め)のしるしとして頭から灰をかける「灰の式」という典礼(儀式)があります。
しかし、実際に灰を被るわけにはいかないので、下関教会では聖別をしたオリーブ油で灰を溶いて、額に灰の十字架を刻みました。
46日間と言っても、主日(日曜日)には断食をしない習慣だったので、主日の日を抜いた40日間ということになります。
また、キリスト教が根付いている国では、この灰の水曜日の直前に、「カーニバル(謝肉祭)」というお祭りがあります。有名なお祭りでいえば、ブラジル各地で行われるカーニバル(リオのカーニバル)が有名でしょう。
わたしの父はブラジル宣教中に経験したそうですが、カーニバルは本当に盛大に行われますが、四旬節を迎えたとたんに先日までの喧騒が嘘のように静かな日々となったそうです。
この祭りの由来は、古代や中世期の信者たちは四旬節に肉食を断っていたので、その前にごちそうを食べて大いに騒いでいました。その習慣が今日まで続いているのですが、教会とは直接関係ありません。
断食については、現在では完全に食事を断つというよりも、十分な食事をひかえることと考えられていて、カトリック教会などでは、以下のように「大斎・小斎」というものがあります。
大斎と小斎を守る日は灰の水曜日と聖金曜日(復活祭直前の金曜日)です。
大斎
1日に1回だけの十分な食事とそのほかに朝ともう1回わずかな食事をとることができ、満60歳に達するまでのすべての成人が守ります。
小斎
肉類を食べないことですが、各自の判断で償いの他の形式、とくに愛徳のわざ、信心業、節制のわざの実行をもって替えることができ、満14歳以上の人が守ります。
ただし、大斎も小斎も、病気や妊娠などの理由がある人は免除されるようです。
いずれにせよ、四旬節はイエス様の十字架への道程、即ち、苦難の道程を思い起こしながら、私たちもまた節制と祈りと、奉仕を特に大切にしながら過ごす期間です。
ルーテル教会の牧師・信徒の方々の中にもこの期間中、大好きなお酒や肉、デザートなどを断つ人もいます。
かく言う、私もこの期間は、節制をしています。